佐藤純の賭博回遊業 入院生活で博打断ち
元々患っていた持病が悪化しまい、入院を余儀なくされてしまった!少し辛いとは思っていたが、医者から言わせるとかなり不味い状態だったらしい。退院までは10日前後かかるらしく、折角の機会なので博打断ちをすることでギャンブル依存の衝動を抑える訓練をしてみることに。
入院した病院の部屋はVIPルームなので、専用トイレは元より書類書き用のデスク、固定電話、FAX、そして有線LANが備え付けられていた。パソコンもレンタルさえすれば置ける状態であったが、あえてレンタルはせず、パソコンの無い入院生活を選んだ。今まではテレビを殆ど見ず、パソコンばかりを使っていたが、入院中は全く逆の生活になってしまった。
初日~3日までは、目を閉じると脳裏にライブバカラの映像が浮かび上がって来たりしたが、4日目以降は、テレビを見ることでその症状を抑えられる様に成って来た。
2週間の入院生活も終わり帰宅する事になったのだが、ここまでパソコンは愚か、スマホにも触れない生活をしてしまった。こんなに長いことパソコンから距離を置いた事はいまだかつてない。
入院生活でわかったことは、最初を乗り越えれば意外と我慢はできるということだ。普段は手近なところに博打ができる環境があり、我慢ということをしてこなかったのだが、その環境がなくなってしまえば新しい環境に適応していけるのだ。とはいっても、これまでの俺を支えてきた「博打」を今更捨てる気はさらさらない。今回はイレギュラーなのだ。
そういえば、入院中に昔世話になったパチンコ組織の人間から見舞いを受け、別グループでの活動をしてみないかと提案された。折角博打断ちをしていたのだが、予想より入院費用がかかってしまっている。生きるためには金が必要なのだ。結局、その誘いを受けることにした。博打から離れていたのに、すぐに終日博打漬けが決定するとは、なんとも因果なものだ。
退院したその日、流石にインカジにいくほどの元気はなかったが、自宅に放置されていたPCからベラジョンカジノにログインしている俺は、完全にギャンブル依存症なのだろうな。
ライブバカラを開いてみると、うまい具合にプレーヤーのツラで進行している。久しぶりの賭け事ということで、景気づけに残高全て(25ドル)をプレーヤー側に置くことにした。
ほどなくしてゲームが開始。プレーヤー側に配られたのは9とJのカード、ナチュラル9で引き分け以上が確定だ。バンカーの1枚目は9なので、10カード以外を引けば完全勝利なのだが、こういう時に限って10カードがでるんだな。デッキに入っているカードの中で一番多いカードなので、出ても全く不思議ではないのだが、本当に出ると気持ちが萎える。
再度プレーヤーに25ドルオールイン。今回のプレーヤーはナチュラル8、バンカーの1枚目は4からの勝負だ。4、5以外ならばOKだが、先程の件もあるので油断はできない。拳を握りしめて行方を見守っていたが、どうやら今回は俺の勝利で間違いないようだ。バンカーに来たのは3のカードで合計7だ。危うげな勝負になってしまったが、このくらいのピリついた勝負がリハビリにはちょうどいいのかもしれない。
更に倍プッシュだ、と、いいたいところだが、如何せん病み上がりの身だ。あまり心身に負荷をかけるのはよろしくないだろうと判断し、ここで出金申請を行う。博打断ちのブランクはこれからゆっくり埋めていけばいいのだから。
解説 バカラの遊び方
この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。ネットカフェでのインカジ利用では摘発者が頻発しています。