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佐藤純の賭博回遊業 調子が良いのか悪いのか

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生活費を博打投資に使ってしまい、次の給料までの生活が出来ない様になってしまう人が俺の周りに何人かいる。これを読んでいる方に忠告させてもらいたい。絶対に負けるとは言わないが、生活費を博打投資に回したら勝てる確率はとても少なくなる。人間の心理で負けられない勝負だと、勝てる流れでも大きく張れずに、少額勝負になりがちだ。結果当てたとしてもリターンも少ない。長く勝負をしていれば、当然博打は親に有利なゲームなのだから、真綿で首を絞められる様に徐々に気が付かぬうちに窒息させられる。

佐藤純

俺も若い時に散々このパターンで殺されたのだが、銀座で有名な方の運転手に起用され、堅実な博打の打ち方を学ばせてもらった。起きてから寝るまで、全ての時間をその方と共に行動させて貰った時期があるのだが、彼も俺の師匠と同じく『博才』が有ったように思う。資金も潤沢に有り、波が上向き、利益がある程度出ると辞める事が出来た。どこかの紙屋とは違い限界を知っていて、設定金額まで負けると潔く辞める事が出来る人だった。

彼の口癖は、「アングラは警察の手入れが入らない限り逃げない。万が一、手入れが入っても繁華街から完全にアングラハウスは消滅する事は無い。明日の資金を残しておく必要があるのだ」と言っていた。一日単位で見たら、もちろん負ける日はあるが、月間収支では必ず勝利していた。なんせ俺がその資金を管理していたのだから手に取るように状況は見えるのだ。銀座で飲むのは決まって博打での勝利金からだった。豪快に見える様で実は堅実な張り方をされていたのだと思える。彼から学んだ『潔い勝負』は、今でも俺の中に強く根付いている。

さて、過去の話はこの程度にして、今日も元気に歌舞伎町のインカジに出勤だ。入店後、プレイテック系のサイトに100ドルを入金してゲームをスタートさせる。最初に選んだゲームは、ライブブラックジャック。最低掛金の設定は5ドルからと成るので、100ドル有れば少しは遊べる設定だ。

5ドルを賭けてカードが配られるのを待つ。締め切り時間が経過してディーラーがカードをまき終えた。俺は1番ボックスに居るので最初に選択を迫られる。配られたカードは『6』と『7』。対してディーラーのオープンカードは『9』が表にされている。ここでヒットしても、確率だけで言えば8以下のカードが配られる可能性が高いので、もう一枚引くことにする。ツキの無い時は、テンカードが出てしまい即死(バースト)なのだが、配られたカードは『7』。合計20とほぼ最強の仕上がりだ。他のプレーヤーの選択を見守り、最後にディーラーがカードを引き始めた。ディーラーのカードは『9』と『10』で合計19。「ディーラーは17以上でスタンドする」から、この時点で俺の勝利が確定する。

次の勝負も5ドルにて開始。『A』『A』の2枚が配られた。ディーラーのオープンカード次第だが、ほぼスプリットをする事に成りそうだ。ディーラーが開いたカードは4だったので、俺は躊躇せずスプリットを選択。各カードに配られたのは『Q』と『K』。何と両方とも21に成ってしまった!

佐藤純

最初の2枚でこれが出ればブラックジャック完成で、1.5倍配当だったのになんて考えて画面を眺めていたのだが、気付けば画面がフリーズしていた。嫌な予感がしたが、一度ログアウトしパソコンを再起動させる。通常この作業が終われば再プレーが出来る状態に成るのだが、今回はログインが出来なくなってしまっている。インターナルサーバーエラーと表示されて一向にゲームが出来ない。

店員に相談すると、「勝負は終わって配当は反映されているので、引き出しは出来る」とのことだ。マスターコンピューターで履歴の検索をして貰い、13000円を払い戻された。「12000円と端数だったと思うのだが?」と店員に確認すると、パソコンの状態が悪く早々に退店させてしまうので、端数を繰り上げサービスしてくれたとの事だ。

入店したばかりで消化不良だが、何時正常に成るか判らない状態で待つのも辛いので退店することにした。

この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。ネットカフェでのインカジ利用では摘発者が頻発しています。

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