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佐藤純の賭博回遊業 リアル店舗の条件無しボーナス(後編)

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前回のスクラッチで、店での滞在時間と種銭は十分に稼いだ。後は本命のバカラでこの種をどこまで伸ばせるか・・・。とりあえずゲームを開き、ライブバカラのヨーロピアンに着席。アジアと比べて、多少プレー間隔が早いので、調子が良い時は基本的にヨーロピアンを選択している。

余計な感情を排除する為に、画面のディーラーとカード部分を罫線にてガードして見えない様にし、下に表示される罫線のみを頼りに打つ事にする。バカラハウスでもカードを見ず、ディーラーが描いた罫線のみを頼りに張る事はよくやっている。罫線を付ける作業を省くことで、勘を働かせる時間が取れるのだろうか。このやり方での勝率は6割程度を出せている。

現状、赤○(バンカー)3目落ち。始まって間がないので、罫線がこの後どの様に落ちるかは、まだ検討が付かない。このまま落としたい、落ちてほしい…。気持ちはバンカーだ。呼び水として、10ドルをバンカーに置く。

スパイダーマン

俺が張ろうが、張るまいが、結果は決まっているし覆らない。しかし、賭人の心理で、「気持ちでカードが変わる」なんて非現実的な事を頭の片隅で考えていたりするのだ。だから、バカラで絞る時、時間を掛けじっくり念じて絞る人や、息を吹きかけて絞る賭人まで出てくる。全てオカルトの世界だ。しかし、バカラと言うゲームは、そのオカルトをオカルトとは呼ばない。単調なゲームに遊び心を入れてギャンブルをより深く楽しみ、この生きるか死ぬかの世界に嵌っていくのだ。もちろん、俺も例外ではない。

ゲームの結果だが、プレーヤー10カード、バンカー9で天井。これで今日は波に乗れるかも知れない。俺の頭は単純だ。たったの一度、それも10ドルの玉が当っただけで、そう考えてしまうのだ。行くときに行かねば、勝てる戦も勝てないとね。

このまま面狙いで勝負に出る。馬鹿に「ラ」を付ければバカラだ。俺はそう読むのが一番しっくり来るような気がしてならない。馬鹿になり、「10ドルの10倍100ドルを落として頂戴」なんて言いながら、バンカーにベットして確定する。

しかし、プレーヤーに配られた一枚目は9!こんな時に9なんか出やがった。バンカーにはお決まりの10カード。でかく張るとやられる率が高くなる様な気がするのは俺だけかな?プレーヤー2枚目は2の合計1。バンカーは現状0だから、これ以上落ちることは絶対に無い。2枚目を開くのを気楽に見れた。2でも3でも勝ちにはなる。とりあえず適当な数字が出ればよろしいとね。しかし、そんな俺の心理とは裏腹に、画面に表示されたのは無常の絵札。確かに下がりはしないが、豚から昇格してないじゃないか。しかも微妙にプレーヤーは数字を持っている。これ以上プレーヤーが大きく育たないことを祈り、カードに集中していると絵札が出てきた。後は少しだけでもバンカーが育てば、95ドルの勝利が目の前にぶら下がっている。

スパイダーマン

冷静に見ていられない。結果を見るのが怖く成り、トイレに駆け込んでしまった。ゲームは勝手に進行されるので居なくても構わないのだ。落ち着きを取り戻し、残高を確認すると、張る前より大きな金額が上乗せされていた。このままバンカーだと確信し、100ドルチップを置き確定ボタンを押した瞬間、「ベットは無効」との表示。時間内に確定ボタンを押してくださいだと。お決まりでバンカーに来たのは言う迄もなかろう。操作が遅れてしまったのは自己責任だが、トイレに逃げ込んだのが悔やまれる。

ベット可能に成り、前回張れなかった分と今回張る予定の100ドルを合わせて、200ドル一発勝負に出る。もちろん面張りのバンカーだ。

さて、ゲームの流れだが、プレーヤー・バンカー共に8。お互いに二枚目の出た目勝負になってしまった。プレーヤーの2枚目は3のカード。バンカーには額縁。あっけなく終了してしまった。実に心臓に優しい勝負だった。切りよく330ドルを引き出し、本日の実践は終了する。

重くなった財布を懐に収め、帰路に着く。どうやら今夜は気持ちよく眠れそうだ。

この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。ネットカフェでのインカジ利用では摘発者が頻発しています。

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