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佐藤純の賭博回遊業 インカジの新規開拓

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その日も、何時も通り新宿は歌舞伎町に出没、常打ちのハウスに足が向いていた。

途中、客引きの親父が擦り寄ってきて、「お兄さん、何時も同じ場所で打つのも良いが、今日開店の店が有る。」「サービスも新規開店だから奮発していて10万円(1000ドル)で2万円(200ドル)のボーナス出しますから、覗くだけでもどうかね?」と誘われてしまい、区役所通りから職安通りに足を向けてしまった。(以前の歌舞伎町や、渋谷のカジノハウスは、結構大っぴらに宣伝をしていたのである。サンドイッチマンまで居た事があった。)

生活安全課の人間、制服の警察もしかり、管内の店は大方把握していたようである。店と癒着も多少有ったと伝え聞いている。その証拠に、摘発をする場合、前もって情報が流れてしまい、当日は開店休業に成ったものだ。しかし、石原さんの号令の下、歌舞伎町クリーン作戦とでも言おうか、掃討作戦を行われてしまった。その際、摘発に動員されたのは、他方面の部隊で有ったと記憶している。情報を、漏らさない為であろう。私の常打ちの店も遣られてしまった。丁度その日は、気分が乗らず休業していた日であり、私は難を逃れている。

話が飛んでしまった、戻す。

新規のハウスに案内され、扉の前で立つよう、客引きに指示された。恐らく、店の人間が警察関係の人間か見立てをしているのだろう。暫くして、扉が開き入場できた。扉は2重扉に成っていて、入場できたと思ったら、先は行き止まり、もう一つ扉が有るではないか。従業員に身分証明証の提示を求められた。続いて誓約書の記入。内容的には、車代、交通費、駐車代等の名目で返金を求めない、組関係の人間では無い。又それらと付き合いは全く無い事を誓いますとの内容であった。

記入が終わると、システム説明が始まる。
最低10万円の預け入れでスタートする事、その時2万円分のサービスチップが貰える事。サービスのそれは、1万円分のチップ2枚になり、一度に一枚張れるとのこと。勝負に勝った場合それは、現金に換金出来るチップと交換になる事、買ったチップを換金する場合最低1時間程度は遊ばないと換金を断るか、次回以降入場を受け付けない。サービスは、タバコが無くなったら、いつでも追加可能。ソフトドリンク、カクテル、ビール、食事(すし、ラーメン、ピザ等)は何でも注文出来る。全て無料サービス。何処のハウスでも、大体同じ様なサービス内容なので、説明を受ける必要も無いのだが、まあ、これは儀式見たいなもので、何処のハウスでも似たり寄ったりの説明がある。

15分程度の時間「儀式」が続き、ようやく内部に入場を許された。
入場すると、ミニバカラ(30ドルミニマム)ミディーバカラ(50ドルミニマム)
大バカラ(200ドルミニマム)の計3卓が設置されていた。
他にも、ルーレット(1ドルミニマム)が1卓、BJが1卓と、結構広い箱である。
まあ、様子観で、10万を黒服に渡して、チップ分と合わせ、1200ドルのチップに交換して貰った。ミニバカラの卓が空いていたので躊躇する事無くそこに陣取り、ゲームの途中だったので、過去の罫線を貰い予想を開始。

最低30ドルなので、取り敢えず、200ドル分のチップを、10ドルチップに両替して貰い、引き分けとプレーヤーに張る。この回のゲームは引き分けが頻繁に出ていたので乗る事にしたのである。

本線(プレーヤー、バンカーの部分)は結構当たっていたが、引き分けが来ない。
罫線なんて、所詮過去の結果であり、未来予想図ではないのだから、仕方無い。と思い引き分けに賭けるのを辞めたとたんに引き分けが出てしまった!(ツキの無い時は、こんなもんである)

夢をもう一度ではないが、引き分けに掛ける。連荘して来るような気がしたので、普段10ドル賭ける所30ドル賭けた。予想が的中!良かった240ドルの配当だ。その後引き分けには、基本ベットの10ドルに下げての勝負続行。

資金の上下動は有ったものの、引き分けが良く当たり、気が付けば2000ドル近く迄、持ち玉が増えていた。

サービスチップを其のまま温存していたので、様子を観て、プレーヤーのツラにはまった時投入。予想が当たり、二枚とも無事現金チップに換わり、滞在時間も3時間を過ぎたので、そろそろ終了する事にした。2200ドルのチップを黒服に渡し、チケットに交換して貰い、外で換金する方式だった。

面白いのが、換金場所である。なんと、店の前に駐車してある、黒塗りのオールスモークのベンツに案内された!

初めてのハウスだったので、従業員が案内をしてくれて外に出ると、「チケットを車の運転手に渡してくれたら、後は滞り無く事がすみますから、そこのベンツの後部席に乗り込んでください、私はこれで失礼します。」と従業員。
少し怖いような感じだったが、思い切って後部席に乗車したら、チケットを拝見と運転手。渡すと、おもむろに電卓を叩き、なにやら計算を始めた。

22万円其のまま、貰えるのかと思っていたら、「チケットの換金手数料を頂きますので、209000円のお支払いですね。」だと。まあ、負けては居ないし、店の決まりだろうから仕方無い事だが、そんな話は聞いていない。騙された気分だ。

この時の収支は、10万円投入→20万9千円、利益10万9千円、時給、約3万1千円也。まあ良し。

そうそう、このチケットとやら、再入場する時、換金しないで其のまま持参すれば、同額チップと取り替えてもらえて、再プレーが出来る仕組みに成っていた。多分店の意図としては、あくまでこの店は娯楽であり、賭博としてのゲームはしていないと表面上主張したかったのかも知れない。此方としては、そんなの関係ないことだが。

この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。
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