ポーカーのコールをするべきタイミングは?判断基準やメリットを解説
ポーカーにおいて「コール」とは、直前でチップを賭けたプレイヤーがいた場合に、同じ金額のチップを出すアクションのことを指します。
様子見のアクションなので、初心者の方はコールを使うことが多くなりがちですが、実は「このタイミングでコールを使うと損!」というケースもあります。
そこで、このページではポーカーのアクションの一つ・コールについて解説します。
コールをするべき・避けるべきタイミングやコールの種類、コールを多用するプレイヤーにはどう対応すべきか…などについて詳しく説明しているので、この記事を読めば初心者の方でもコールをマスターできますよ!
この記事のまとめ
- コールは直前のプレイヤーと同じ金額でベットするアクション
- コールはリスクを減らせるが、「相手をフォールドさせられない」というデメリットがある
- コールを多用する人を「コーラー(コーリングステーション)」と呼ぶ
この記事はおよそ 10分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
ポーカーのコールとは?
ポーカーにおける「コール」とは、ベットやレイズなどを行ったプレイヤーが前にいた時に、その人と同額のチップを置くアクションのことをいいます。
ポーカーテーブルでは、コールと宣言する、もしくは前のプレイヤーと同じ金額を置くことでコールが成立します。
フォールドしたプレイヤー以外が全てベット(レイズ)・コールのアクションを取り、全員が同じ金額をベットしたら次のラウンドに進むことになります。
ただし、他にレイズしたプレイヤーがいる場合、コールしたプレイヤーはもう一度コールしてその分の差額を支払わなければゲームに参加することはできません。
目的と役割
「コール」の役割は、ベット・レイズしたプレイヤーと同じ金額を支払うことにより、自分もテーブルの中で最大額をベットしたプレイヤーになることです。
つまり、コールの目的は、必要最小限のコストでゲームに残ることと言って良いでしょう。相手を降ろすことはできないものの、フロップ・ターン・リバーのカードを最低限の金額で確認することができます。
もちろんプリフロップでコールしたプレイヤーでもフロップ以降はベット・レイズが可能なので、様子見のコールも戦略の一つです。
コールとレイズの違い
ポーカーのアクションの一つに「レイズ」があります。コールもレイズも他人のベットを受けてはじめて成立するアクションという点では同じなのですが、レイズとコールの違いは何なのでしょうか?
レイズは、「他のプレイヤーがベットを行った時、その金額を超えるチップをベットすること」を指します。そのため、相手はそのままでは次のラウンドには進めず、コールやレイズなどの対応をする必要があります。
そのため、レイズが積極的なアクションであるのに対し、コールは受け身のアクションと言うことができるでしょう。ベット額を引き上げリスクを多く取る分、レイズはテーブルの主導権を握ることができます。
コールの種類
一口に「コール」と言っても、どのようなタイミングや状況でアクションを行うかによってコールは様々な種類に分かれます。
とはいえ行うことは相手のチップと同額を賭けるだけなので、最初は覚える必要はありませんが、戦略を勉強したい中級者以上の方は覚えておいた方が良いでしょう。
次の項目ではそれぞれのコールについて解説します。
フラットコール
フラットコールとは、自分のハンドがレイズしても勝てるような手札であるにもかかわらず、コールすることを指します。
このような、自分が強いハンドを持っているのに消極的なアクションを取るプレイスタイルを「スロープレイ」と言います。
フラットコールのメリットは、相手からコール・レイズを選択してもらいやすいという点にあります。ポットを増やし、ショーダウンで勝利すれば、より多くのチップを獲得することができます。
コールドコール
コールドコールとは、自分より前のプレイヤーがレイズを宣言している際にコールすることを指します。しかし、現代のポーカーではコールドコールは悪手と言われています。
前のプレイヤーがレイズをしているため、かなり自信があるハンドということが分かります。そこにコールを仕掛けるのは、弱いハンドだったら負ける可能性が高く、強いハンドであればリレイズをすべきなので、あまり得策と言える賭け方ではありません。
相手が相当ブラフをしてくる、など特殊な状況でない限りは、コールドコールは避けた方が良いでしょう。
スナップコール
スナップコールとは、直前のプレイヤーがレイズを選択した直後にコールすることを指します。
プレイヤーがスナップコールを行う理由は大きく分けて2つあり、「考える必要がないほど強力なハンド(=ナッツ)を持っている」か、「状況を考えずにとりあえずコールした」かのどちらかです。
相手がイライラしながらスナップコールを行っている時は正しい判断が出来ていないので、その人をターゲットにしてチップを獲得するのが良いでしょう。
ヒーローコール
「ヒーローコール」とは、自分のハンドが微妙な強さ(マージナルハンドと言います)であっても、相手のハンドを正確に予想してコールすることにより勝利することを指します。別名を「シックコール」や「タフコール」といい、決まれば非常に気持ちいいコールです。
ヒーローコールを成功させるには、相手のプレイングを細かくチェックして、プレイングに何かしらの矛盾がないか、ここでのベット額が適切か、といったことを適切に判断する必要があります。
失敗するとバッドコールとなってしまいますが、上級者の方は是非狙いたいコールと言えるでしょう。
コールのメリット・デメリット
続いて、コールのメリットとデメリットについて解説します。特に初心者の方はコールを多用する傾向にありますが、むやみにコールすることで損する局面が出てくる可能性もあります。コールを使うことで得すること、損することを確認しておきましょう。
メリット
- リスクを軽減できる
- 相手の出方を伺える
- ポットを大きくすることができる
まず、コールはレイズと違ってベット額を増やすことはないため、リスクを減らして勝負することができます。
また、コールすると次のベッティングラウンドに進むことから、次に相手はレイズするのか、レイズするならどれくらい上乗せするのか、といった出方を伺うこともできます。
さらに、ラウンドが進むということはそれだけベットする機会が増えるため、ポットを大きくすることも可能です。特に自分が強いハンドを持っている場合は、積極的に誰かがベットやレイズしてくれるのはとてもお得な場面と言えるでしょう。
このように、損失リスクを出来るだけ減らしつつゲームには参加できるという点において、コールは大きなメリットがあると言えるでしょう。
デメリット
- 相手をフォールドさせられない
- テーブルの主導権を握れない
- ポットを大きくできない
対して、コールのデメリットの一番重要な点は、「相手をフォールドさせられない」という部分にあります。
テキサスホールデムで勝つには、ショーダウンで最も強い役を作る、もしくは全員をフォールドさせる、のどちらかを満たす必要があります。2つの選択肢がある中で、フォールドを使えないコールはやはりデメリットと言えるでしょう。
また、コールをすると相手がレイズをするか否かの主導権を握られてしまうのもマイナスのポイントです。
そしてこれはメリットとは逆のことを書いていますが、コールで止めてしまうとそれ以上ポットを増やすことができません。
3bet(リレイズ)、4bet…と強気で行きたい時にコールを選択すると、かなり損をしてしまう可能性もあります。
コールをするべきタイミング
続いて、この局面ではコールをした方が良い、というタイミングについて具体的に解説します。
コールは一見すると消極的なアクションですが、だからと言って消極的に選択する必要はありません。この局面ならコールをした方が有利だ、というときに積極的に利用するのがおすすめです。
強いハンドを持っているのを隠したいとき
これは前の項目で説明した「フラットコール」に当たる考え方ですが、強いハンドを持っているという時にコールという消極的なアクションを行うことにより、相手に自分が弱いハンドを持っていると錯覚させることでポットを増やすことができます。
ただこれは、自分がレイズを行えない分ポットはあまり大きくならないことが多いです。そのため初心者の方は素直にレイズすることをおすすめします。どんな局面でフラットコールを行うのが効果的かが身に付いた中級者〜上級者のテクニックと言えるでしょう。
ポットオッズが合っている
「ポットオッズ」とは、ベットしたチップに対して、勝利した時に何倍のチップが返ってくるのか、の倍率のことを指します。
例えばポットに50ドルあり、相手は25ドルをベットしました。この時コールに必要なベット額は25ドルで、成功すると返ってくるお金は「50ドル+25ドル+25ドル=100ドル」となります。そのため、ポットオッズは100 ÷ 25 = 4倍となります。
ポットオッズに対して勝率が高く、プレイする価値があるハンドのことを「オッズに合う」と表現しますが、自分の勝率を計算してオッズが合っていると判断できる場合、コールをするべきと言えるでしょう。
例えばこの例の場合、25%以上の勝率があるならコールしてOKと言うことになります。要は「期待値がプラスならコール、マイナスならフォールドか相手をフォールドさせるためのレイズ」と言えます。
ブラフキャッチなど相手よりも優位だと判断したとき
最近はアグレッシブなポーカープレイヤーが増えていることから、ブラフを仕掛ける頻度も上がっています。そのため、ブラフを見破ることができれば、相手より優位な状況を作ることができます。これを「ブラフキャッチ」と言います。
例えば相手がストレートやフラッシュを装ってブラフレイズを仕掛けてきたけど、その役に必要なカードを自分が持っている(ブロックと言います)場合だったり、相手のブラフに関するストーリーに違和感がある、などの場合は積極的にブラフキャッチのためのコールを行うことをおすすめします。
コールを避けるべき場面
続いて、コールを避けるべき場面についても解説します。
ゲームを降りたくないという理由でコールを続けていると、多くの場合途中でやっぱりフォールドして最初にコールしなかったら良かった…となったり、不利なショーダウンで大きくチップを奪われてしまったり、といったマイナスになる場合があります。
そのため、特に次のような状況になった場合は、コールはやめておいた方が良いでしょう。
弱いハンドを持っている場合
弱いハンドを持っている時は、ショーダウンするとほとんどの場合負けてしまいます。そのため、弱いハンドを持っている時は素直にゲームを降りる(フォールド)か、ブラフをしてレイズ・3ベットをするかを選択するべきであり、いずれにしてもコールは避けるべき局面と言えるでしょう。
今後強いハンドになる可能性がある(ストレートドロー・フラッシュドローなど)時、もしくは微妙なハンド(マージナルハンド)の場合は、積極的にセミブラフを打つことをおすすめします。
あくまでコールをするのはその時点で勝負を続けるだけの価値があるハンドにとどめ、弱いハンドでコールすることは避けましょう。
オッズが不利
これは「弱いハンドを持っている場合」にも関連しますが、ポットオッズを計算して不利である、つまり期待値がマイナスである場合は素直にフォールドすることをおすすめします。
例えばポットが50ドルなのに相手が100ドルのベットを仕掛けてきたとしましょう。これにコールするためには100ドルが必要なので、オッズは 250 ÷ 100 = 2.5倍 となります。つまり、勝率が40%以上無ければコールの期待値はマイナスとなってしまいます。
勝率が40%を超えるようなプレミアムハンド、もしくは相手がブラフであると看破できている場合は良いのですが、マージナルハンドであればフォールドした方が良いでしょう。
相手が明らかに強い
相手が一貫して強気のベットを行っている(レイズに対してリレイズを仕掛ける、フロップでもターンでもベットするなど)の場合、相手のハンドはプレミアムハンドである場合が多いです。
相手が明らかに強いと思われる場合はベット額が大きくなってしまうので、コールで応戦するのは自分のチップが大きく相手に奪われる原因となってしまいます。
相手がプレミアムハンドであっても自分がブロックしているならコールをするのも一つの手ですが、そうでない場合はコールよりはフォールドの方が損失は少ないです。
コーリングステーション(コーラー)とは
初心者に多いプレイスタイルに「コーリングステーション」というものがあります。ハンドが弱い場合でも頻繁にコールするプレイヤーのことです。
降りた方が良いハンドでもコールをして、積極的にレイズした方が良い場面でもコールをするようなパッシブ(消極的)なプレイが特徴です。
ポーカーを始めたばかりの初心者が陥ることが多く、アミューズメントカジノやステークが低いポーカーテーブルではよく見かけます。逆に言えばコールを多用するプレイヤーは初心者であることが多い、と言えるでしょう。
コーリングステーションの対処方法
コーリングステーションへの対策は比較的簡単です。特にトーナメントなどでこのようなプレイヤーを発見したら、利益を増やして有利に立ち回る大チャンスと言えるでしょう。
弱いプレイヤーを見かけたら、そのプレイヤーからチップを頂戴するのがポーカーで期待値を稼ぐ一番の近道です。
ブラフを控える
コーリングステーションにはブラフはほとんど意味がありません。かなりの頻度でコールをしてくるプレイヤーは、ブラフをキャッチされてしまう危険性が高いです。
そのためブラフは控えて、素直に強いハンドが来た時に大きくベットしましょう。
また、コールドコールなどのスロープレイも意味はありません…というよりもスロープレイの必要がありません。
マージナルハンドでもコールしてくれるので、強いハンドを手にした時は強めにバリューベットを打つのがおすすめです。
ベットやレイズを警戒する
コーリングステーションのプレイヤーは初心者が多いので、手が入ると素直にベットやレイズをしてきます。
そのため、もしベット・レイズが入ってきたら、おそらくかなり強いハンドであると推測できます。自分のハンドが弱い場合は、ブラフレイズよりも素直にフォールドした方が良いでしょう。
ただし、ナッツであれば話は別です。相手のハンドを打ち負かす手を作れた時は、積極的にオールインしましょう。
相手がコールしてくれれば激アツ!相手を飛ばして多くのチップを獲得することができます。
まとめ
ポーカーにおける「コール」とは、相手のベットやレイズに対して同じ金額を賭けるアクションのことを指します。
必要最小限のチップでゲームに参加することはできますが、あまり多用すると弱いハンドで大きな損失を出すことになったり、逆に強いハンドであっても大きな利益を出せない場合もあります。
そのため、コールを使うときはなあなあで選ぶのではなく、オッズに合っている、相手がブラフの可能性が高い、強いハンドを隠したい、などコールをした方が有利になる理由がある時に積極的に行いましょう。
また、もしコールを多用しているプレイヤーがいる場合は、ブラフレイズは控えて積極的にバリューベットを行い、大きく稼ぐのがおすすめです。
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
コールとは、直前のプレイヤーと同じベット額を出すアクションです。
レイズとは逆の「弱気なアクション」とされていますが、タイミングやハンドの状況で有効に使うことが可能です。